こんにちは、齋藤です。
リフォーム産業新聞にこんな記事がありました。
成瀬・猪熊建築設計事務所、古民家を現代美術アーティストのギャラリーに
香川県の豊島(てしま)にある古民家を、ギャラリーにリノベーションした事例です。
以下引用
「最先端のような施設にせず、建物の古い部分を多く残し、
新しい部分と古い部分が併存、拮抗(きっこう)するようにしました」(成瀬氏)
新しくしつらえた土壁や新設した構造部材にもあえて、エイジングの加工を施した。
引用終わり(出典:上記リンクより)
とあります。
この古民家の場合や、日本の寺社仏閣の補修工事の場合、
わざと、周囲の素材と馴染むように、新しい材料で補修した箇所を
古びた色に加工(エイジング)することが多々あります。
私が学生の頃、「果たしてこの修復方法は良いと言えるのか?」という講義がありました。
見た目としては、違和感が無く、建物や観光地の雰囲気を壊すことはありません。
日本の事例では、周囲と馴染むように補修しがちで、
海外の事例では、新しい材料の部分と、元々の材料の部分がハッキリ分かることが多いとのことでした。
日本では、京都や鎌倉などの観光地では、コンビニの看板はその街並みに合うように、
セピア調に色が変わっていたりしますが、
海外では世界遺産の街並みの中に、近未来的な建物が建っているのも、似ている感覚かなと思います。
また、以前テレビでこんな工法を見ました。
透明のシート状のガラス繊維を表面に貼ることで、構造物のヒビを補修します。
発売当初は、どこを補修したのかが一目で分かってしまうことを、マイナスに捉える意見が大半だったようです。
それまでは、補修した後、更に塗料で全面を綺麗に塗り直していました。
しかし、補修箇所が分かる方が、かえって安全で効率的だということが分かったのです。
次回の点検時に、どこを重点的に見ればいいのかが分かるからです。
高所からコンクリートを落下させる実験風景を見ましたが、
薄い透明のシートを貼ったものは、強度が増して割れることはありませんでした。
エクステリアのリフォームでも、様々な修復が行われます。
周囲に馴染むように補修したり、
思い切って別の素材を取り入れて、雰囲気を変えてみたり…。
遊びの要素を取り入れるのも、楽しいのではと思います。