こんにちは、齋藤です。
最後の庭園は、最もなじみの深い日本庭園についての紹介です。
実際の日本庭園を、楽しまれたことがある方も多いのではないでしょうか。
日本庭園の様式の1つである、枯山水では
砂で海や川を表現し、岩で島を表しています。
目で見た自然をそのまま再現するのではなく、精神的に見せ、鑑賞者に想像させます。
自然と人工の境界を無くそうとすることで、人工物が自然になるという考えです。
アジアは回遊式庭園です。
空間を歪める操作を行うことで、物理的意識から、精神的意識への移行を図ります。
庭園の中での自然と人との融合は、生命の根源を表し、宇宙的広がりを持ちます。
壮大な文章になってしまいましたが、茶室にも共通する表現があります。
茶室の狭い入口をくぐって中へ入ると、中が広く感じます。
茶室には直角の角が無く、土壁で緩やかなカーブを描くように塗られています。
輪郭をハッキリさせないことが、空間の広がりと、広い宇宙への繋がりを感じさせます。
世界中の庭で、水はとても重要な役割を果たしていました。
ヨーロッパ:権力の誇示としての水
イスラム:楽園の象徴としての水
日本:風情としての水
エクステリアには様々な方法で水を取り入れることができますが、
雨の日はどのように過ごすのか、雨を利用する方法を考えてみるのも、イメージが膨らむと思います。
私は、ヨーロッパの庭園は、写実的な絵画、アジアの庭園は抽象画というイメージを持ちました。
地域性で相反する考えや、共通する表現があって面白いと思いました。
体験するためのエクステリア、見るためのエクステリアと常に視点を変えることが大切だと感じます。
◆前回まで